長いこと植物界隈で仕事をしていますが、まだ踏み入れていない沼『食虫植物』。
今回ちょっとしたご縁があって、『食虫植物ナイト』なるイベントに参加してきました。
エロティックな植物の写真集『官能植物』の著者である木谷美咲さんを迎えて、食虫植物の原生地トークを聞き、現地で学んできた「ウツボカズラ飯」を試食できるという超マニアックかつレアな会です。
ウツボカズラごはん以外に、シークレット食材も出るとか。それでは行ってみましょう!
主催会場は越谷の観葉植物専門店「GREEN JAM」。
イベント開催場所は、埼玉県越谷の「GREEN JAM」さん。ちょっと変わった植物も揃う、観葉植物専門店です。

可愛い小屋のようなお店は、四方に不思議な植物がいっぱい。

店内も。天井からつるされたビカクシダが目を引きますね。

この日はJAM祭!ということで、食虫植物の生産をしている「ヒーローズピッチャープランツ」さんや、ランの生産をしている「サノオーキッド」さんなどが出店していました。
今回のメイン、食虫植物たちがわんさかいます。サラセニア。

ハエトリソウのなかま。

今日の主役のウツボカズラさん。確かに、なんともエロティック。

ドクロに着生したラン。(ランの着生ワークショップ、苔テラリウムの苔着生ワークショップなども行われていました)

あの、普通に可愛い植物もちゃんとあります!多肉ハウス。

みんなぷっくりキラキラ!かわいい。

こちらはエアプランツのコーナー。鬱蒼としていていい。

生産者さんから直接育て方を聞いたり、お話したりしながら買い物ができて面白かったです。(小さいウツボカズラ買ってしまいました。沼…)
そんなこんなしているうちに日も暮れてきて、そろそろ夜のメインイベントの用意ができたようです。
メインディッシュはウツボカズラごはんと、食虫植物のキモチになれるシークレット食材…
トークイベントの会場に入ると…ハイどうぞ!

本日のメインディッシュ。ウツボカズラごはんとおむすび、付け合わせには食べられるコケ・ジャゴケの素揚げが添えられています。
これが一人分ね。トレーを受け取って席へ。

木谷さんのトークが始まりますが、「まあ、まず食べて、食べながら聞いてください~」ということなので、早速食べることに。
ウツボカズラごはんは人生2回目。(以前にも食べてるんですねーなぜか)
ココナツと砂糖を入れてほんのり甘く味付けしたお米を、ウツボカズラに詰めて蒸し煮にした料理。マレーシアの山岳民族の間で実際に食べられている料理なのだそう。
バナナの皮をむくように、ウツボカズラをバリバリとはがして食べます。ウツボカズラに毒はないので、食べてもOK。ほんのり甘く、ココナツの香りがするごはんは、普通に美味しい。

そしておむすびですが、こちらは本日のシークレット食材「蜂の子」が入った蜂の子ごはんのおむすびです。不意打ち…

蜂の子は、長野などで郷土料理としてよく食べられていますね。別に避けていたわけではないのですが、今までの人生でたまたま機会がなく、人生初・蜂の子です。
見た目はザ・虫。幼虫とさなぎが混ざったような感じです。
虫を食べなければ食虫植物の気持ちはわからないだろうという、木谷さんの粋なはからいにより加わったメニュー。食虫植物のキモチ。
味は佃煮なので普通に美味しいです。噛んだ時の幼虫感は思ったほど強くなく、普通に食べられました。また新しい扉を開いてしまった…
ジャゴケは別の機会でけっこう食べてきているので、もう普通の付け合わせ感覚。塩味がきいた素揚げで、美味しかったです。
この珍味たちがメインディッシュ!と思っていたのですが、「食べながら聞いてくださいねー」と電気が消され、さくっとスライドが始まりました。
暗闇なら蜂の子も気にならない。もはや普通の食事。
みんなもぐもぐ食べながら、木谷さんが原生地を訪れたときのお話を聞きます。
食虫植物の原産地、ボルネオとオーストラリアのお話。
ネペンテス(ウツボカズラ)の原生地である、マレーシア・ボルネオ島。ウツボカズラの自生地はかなり山奥ということで、到着までがとっても大変そう。
“ネペンテスキャンプ”と呼ばれるこんな山小屋に泊まるのだとか。ごはんやトイレ事情のお話も面白かったです。

湿度の高い熱帯雨林にはもちろん、ヒルがたくさん。木谷さんの血を吸ったであろうヒル。

(そのほかにもけっこうなグロ画像がありました。ご想像におまかせします…)
ウツボカズラの花。

原生地でどのようにウツボカズラが生えているのか、どれだけいろんな種類があるのか、たくさんのスライドで紹介していただきました。
園芸業界では鉢植えに入ったウツボカズラしか見たことがないので、知らないことがたくさんです。
次に、オーストラリアを訪れた話。

オーストラリアには、「ドロセラ」と言われるモウセンゴケの仲間や、ウツボカズラをミニチュアにしたような「セファロタス」という食虫植物の自生地があるそう。
これがセファロタス。ぷくぷくしてて可愛い!

基礎知識がまったくなかったので、聞いていてわからない単語もたくさんでした。きっとマニアの方にはたまらないお話なのだろうな。
それでも今回は、事前にヒーローズピッチャープランツさんの販売でドロセラやセファロタスの実物を見ていたので、「ああ、さっき見たあれか!」とアタマの中で繋がり、自生地の話も面白く聞けました。
植物専門店らしい、総合的なイベントの良さですね。
ボルネオ自生地レポートは木谷さんのブログにも詳細が書かれています。興味のある方はこちらをぜひ読んでみては。
ロストワールド・食虫植物ウツボカズラの秘境へ1 (13まであります)
そして、しれっとここまで書かずにおりましたが、本日トークの木谷さんは『官能植物』にちなんでのボンテージ姿です。なんというイベントか。とってもお綺麗です。
ハエトリソウのかぶりものは特注品だとか!細部まですごくよくできてました。
まとめ。
マニアの方に比べればきっと理解できたことは半分くらいだと思いますが、食虫植物ナイトを堪能しました。(個人的)まとめです。
食虫植物の世界は広い!深い!
ウツボカズラごはんはココナツ味で美味しい。
蜂の子は食べてみるとけっこう平気。おいしい。
自分は知らない世界でも、なにかに情熱を傾けている人の話を聞くのは面白い!
各植物の詳しいことについては、参考書や参考リンクで調べてみてください。
植物沼はハマると大変なんだけど、みなさんとっても楽しそうでした!
参考書と関連リンク
木谷さんの著書。
昆虫食が気になる方は、こんな本もあるようです。
木谷美咲さんのオフィシャルブログ
▶革命的植物宣言
山梨で食虫植物を専門に栽培しているヒーローズピッチャープランツさんのサイト。
▶ヒーローズピッチャープランツ
埼玉県越谷「GREENJAM」さんのサイト
▶GREEN JAM