花屋のブランディングと、花を贈る心のジレンマ。

企業のマーケティングとして、お店のブランディングは重要。

お店のロゴやテーマカラーは「あ、あのお店だ」というアイコンです。マックと言えば赤と黄色。緑の看板はスタバ。筆文字のルノアールからは渋い喫茶店の雰囲気を感じます。

ここ数十年ほどで、お花屋さんもブランディングが上手な企業がふえました。お店のテーマカラー、ロゴ、包装紙など自社で制作・統一しているお店もありますね。

それはそれで良いことだと思うのですが、先日ちょっと違和感を感じたことがあったので書き留めておこうと思います。思いをこめて花を贈るとき、企業ブランドが邪魔になることもあるのでは…という話です。

お悔やみの献花を買う。

私の敬愛するミュージシャンであり、昨年若くして亡くなった黒沢健一氏の「偲ぶ会」に行ったときのこと。

ファンには「献花用の花を1輪、持ってきてください」と伝えられていました。

たまたま時間がなくて自分で用意することができなかったので、駅ナカにある某チェーン系フラワーショップで調達することに。

花を自分で選び、ラッピングをお願いしました。

セロファンで包んでもらったガーベラ1輪のラッピングには、ロゴが入った大きなシールがぺたり。リボンにはみっちりと店名がプリントされ、保水用の資材(切り口を保護するペーパーのようなもの)にも店名が入っています。

(一応、用途は「お供え用」と伝えていたので、リボンの色は落ち着いたグレーでした)

包まれた花は、しっかり大きく店名のロゴが入ったビニール袋に入れられて、手渡されたのでした。

…うん、まあそうだよね。

ブランディングがしっかりしていることで有名なチェーン店ですから、当然です。別に文句を言う筋合いはないのはわかっています。

でも、そのときの正直な感想は、「過・剰」!

無地のセロファンかペーパーで包んで、白いリボンを結ぶだけでいいのに。

ロゴや、シールや、店名の情報や…健一くんへのお悔やみの気持ち以外のものがたくさんくっついているような気がして、複雑な気持ちになりました。(シールはお供えする前に自分ではがしました。スミマセン。)

後日その会社で働いている知人に聞いたところ、ラッピング資材にはすべてお店の店名やおロゴが入っているとのこと。やっぱり「無地のリボンはないんですか?」と聞かれることは時々あるけど、置いていないんだよ、と教えてくれました。

「無印」で渡したいときもある。

もちろん、自店で作った商品に店のロゴやシールをつけるのは当然だし、自分の商品に責任を持つという意味で、売る側の誠意でもあります。

今回の件は、たまたま花が1輪だったので余計にラッピングが過剰に見えたというのもあるでしょう。

でもね。

「お悔やみ」とか「感謝」とか、気持ちを込めたくて花を贈るとき、できるだけ無印のまま渡したいときもあるのです。

亡くなった大好きな人に手向ける花くらい、白いリボンだけでさりげなくしたいよ。

何が言いたいかというと、なるべくシンプルなラッピングもオーダーできるような「余白」を残しておいてほしい、ということ。

チェーン店にそれを期待するのは無理なんだろうな…という諦めの気持ちもあります。でも、個人店がどんどん減って、チェーン店でしか花が買えない状況になりつつあるのも事実。

(花屋で働く側としては、ワガママをきいてあげる個人店もそれなりに大変なんだけどね)

ブランディング。マーケティング。企業の生き残り。

大事なことだとわかっているけど、さりげなく1本の花だけを贈るのは難しくなっているのかなあ…と残念に思ったのでした。

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