―クリスマスにヤドリギの樹の下でキスをしたカップルは幸せになれる―
そんなお話を聞いたことはありませんか?
クリスマスに使う枝物といえば、ツリーとしてお馴染みのモミの木や針葉樹のスギ・ヒバなどが主流ですが、ヤドリギもロマンチックな伝説とともに気になる素材です。
お花屋さんでも、なかなかお目にかかる機会のないヤドリギ。
一体どんな植物なの?クリスマスの言い伝えとは?
今回は、一味違ったクリスマスの枝物に注目してみましょう。
ヤドリギってどんな植物?
ヤドリギ【Viscum album】
ビャクダン科ヤドリギ属
ヨーロッパおよび西部・南部アジア原産。日本で見られるものは、セイヨウヤドリギの亜種と言われています。
ヤドリギは、地面には根を張らず、他の木の枝に寄生して成長する少し変わった植物です。「宿り木」という名前は、ここから来ています。
ヤドリギの実は、潰すととても粘着力があるため、その実を食べた鳥が、木の枝などに種を落とし、付着、発芽し、根を下ろして寄生が始まります。
その為、いわゆる「ヤドリギの木」というものはありません。
勿論、栽培するというのも難しい植物なので、見つけられるのも運のひとつなのです。
落葉した木に、鳥の巣のような大きな丸い茂みがあったら、それはヤドリギかもしれません。
ひとつひとつの枝には、双葉のような葉があり、半透明の実がなります。
雄雌の株があり、実が付くのは雄株だけ。
アクセサリーなどのモチーフにも良く用いられる愛らしい姿です。
実の色は、白っぽいものから、オレンジがかった色など様々。寄生した木の種類によって変わります。
ヤドリギの言い伝えとは?
不思議な生態をもつヤドリギは、神が宿ると言われ、様々な言い伝えや伝説があります。
「ヤドリギ」と検索すると、サジェストキーワードに「キス」という言葉が出てきます。
これは、
クリスマスの時期に、ヤドリギの下にいる女性はキスを拒むことが出来ない。
拒むと来年は結婚のチャンスを逃してしまう
という言い伝えがあるから。
この伝説から、「ヤドリギの下でキスをしたふたりは、幸せになれる」というロマンチックな風習が根付いたと言われています。
クリスマスとヤドリギの関係
神秘的なヤドリギの言い伝えの起こりは、ケルトの伝説から始まったと言われています。
それによると、ヤドリギは「不死・活力・肉体の再生」を表すシンボルだったとされています。
実は、ヤドリギがクリスマスと関連付けられたのは、もともと緑の少ない冬の時期に飾れる数少ない緑の植物として重宝されたということで、キリスト教とは一切関係がなく、教会にヤドリギを持ち込むことは、今でも許されていないそう。
ヨーロッパでクリスマスのお祝いが定着した19世紀頃は、性的な表現に関して大変厳格だったことから、聖職者にとってヤドリギをクリスマスのお祝いに用いられることを良しとしなかった向きがあります。
キリスト教では、ヤドリギの代わりに、ヒイラギを飾ることを推奨しています。
ヒイラギは、日本でも節分の鬼退治に用いられますが、ヨーロッパでも、古くから魔除けの意味合いがあったようです。
刺々しい葉を、キリストの茨の冠に見立て、赤い実はキリストの血の象徴に見えたことから、クリスマスの飾りに用いられたそうです。
ヤドリギはお花屋さんで買える?
お花屋さんでも見かけることが珍しいヤドリギ。たまにディスプレイ用として市場に出回りますが、一般的に購入しやすい素材とはいえません。
まるごと飾るとかなり大きいので、ディスプレイなどに利用されることが多いのですが、こういったエピソードをご存知の方も多く、飾ってみたい!という方も多くいらっしゃいます。
切り分けた小枝を販売していることもあるので、おうちで飾るなら、それが狙い目かもしれません。
見つけたらとてもラッキーな枝物。
飾れば長く楽しめるので、お花屋さんで見かけたらぜひお迎えしてみてください。
(ドライにも出来ますが、葉が落ちやすいので、エアコンのそばなど乾燥しやすいところは避けて飾りましょう)
また、お花が好きな方へのギフトにもオススメ!特別感のあるプレゼントとして喜んで頂けると思いますよ。
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