リースやドライフラワーに人気の「ユーカリ」。切花でも鉢花でも、様々な種類が出回っています。
そんなユーカリの中に、「ユーカリ・ポポラス」という品種があります。切花でも鉢植えでも人気の品種なのですが、ちょっと見た目が違うので「アレ?」と思う方が多いようです。
これって同じ品種なの?と疑ってしまうほど、姿を変えるユーカリ。その秘密にせまります!
ユーカリといえばコアラ。写真はイメージです(ポポラスではありません)
「ユーカリ・ポポラス」基本情報。
ユーカリ・ポポラス(ポリアンセモス)(Eucalyptus polyanthemos)
フトモモ科 ユーカリ属。オーストラリア原産。常緑高木で、20mほどの高さに成長する。
polyanthemosという学名は、「たくさんの花」の意味。名前のとおり、たくさんの花をつけるのが特徴。
これが花屋の「ユーカリ・ポポラス」(切花)だ!
切花を扱うフローリストが、「ユーカリポポラス」と聞いて思い浮かべるのはコレ。
たくさんついたこの「つぶつぶ」が、リースやアレンジメントの良いアクセントになりますよね。葉っぱの大きさは個体差がありますが、葉っぱの形は細長いか楕円形のイメージ。
このタイプのポポラスは、「ポポラスベリー」などと呼ばれて出回っています。
ベリーってことは、このつぶつぶは実なのか??
答えは否。このつぶつぶは、ポポラスの「つぼみ」なんです。
頭のトンガリがとれて、ぱかっと開いて、ほらね。
不思議なかたちの白い花が咲きます。あんまり観賞価値は高くないので、つぼみの状態で出回るのですね。
もうひとつ、この「つぼみ」がついていないポポラスも切花で出回ります。
お花屋さんで働いてる人は、見たことあるかもね?
丸い大きめの葉っぱは、つぼみ付きのポポラスとはちょっと雰囲気が違いますね。こちらは「ポポラスリーフ」などと呼ばれていることもあります。
切花の市場で出回るユーカリポポラスは、つぼみ付きの「ポポラスベリー」と、葉っぱだけの「ポポラスリーフ」がある。
「ポポラスベリー」の「つぶつぶ」は、ベリー(実)ではなく、つぼみである。
これが園芸店の「ユーカリ・ポポラス」(鉢植え)だ!
園芸店における「ユーカリ・ポポラス」のキャッチコピーは、「ハート形の葉っぱが可愛いユーカリ!」であることが多いと思います。
苗木の状態でも売られていて、シンボルツリーとして庭に使う方もいますよね。
切花の「ポポラスリーフ」とは似ていますが、「ポポラスベリー」とは葉っぱの形も雰囲気もまるで違います。
成長すると変わる?ユーカリの葉っぱ。
丸い葉っぱのユーカリポポラスと、つぼみが付いた切花のユーカリポポラス。葉っぱのかたちが全然ちがうので、「これって同じユーカリなの?」と思う方もいるのではないでしょうか。
じつは、ユーカリは成長すると葉っぱの形が大きく変わるものが多いのです!
ユーカリの一部の種類では、まだ樹高が低い若い木につく葉っぱと、成長した木につく葉っぱのかたちが大きく変わります。
これを、専門用語では「幼葉(ようば)」と「末葉(すえば)」と言うそうです。
鉢植えで売られているユーカリポポラスは、いわば赤ちゃんの状態。
丸い葉っぱはユーカリポポラスの「幼葉」なのです。
切花として出回るユーカリポポラスは、つぼみがついた状態。つまり、木としては大きく成長したものだと考えられます。あの細長い葉っぱは、大人の「末葉」ということですね。
鉢植えを育てている方からは、「うちのユーカリポポラスにも、切花のようなつぼみがつくのですか?」と聞かれることもありますが、花を咲かせるのは樹高2m以上になってからのことが多いとか。
ユーカリは本来大木になる木ですから、花が咲いたり実がなったりするには、大きく成長することが必要なようです。
まとめ。
ユーカリポポラスは、若い時と成長した時で葉っぱの形が変わる。
若い木の時は、丸い葉っぱ。園芸店で出回る鉢物は主にこの状態である。
切花として出回るものは「つぼみ」に観賞価値があるので、成長した木から切り出したものが多い。だから葉っぱは細長い。
幼葉と成長した葉の形が違う植物は、わりとあるようです。観葉植物でおなじみの「ポトス」も。
たしかに、観葉植物として我々が楽しむサイズの個体は、植物としては「子ども」であることも多いのかもしれませんね。
参考サイト