今回は、お花を買ってきたらまず家でなにをするのか?基本をまとめました。
難しく考えず、これだけ頭に入っていれば、おうちで花を楽しむのに十分です。それではどうぞ。
【必須】花瓶に入れる前に、茎をカットする

これはどんなお花でも必須です。
買ってきたら、花瓶に入れる前に、必ず茎をカットすること!!
水から離れていた茎の切り口は乾いていて、うまく水を吸い上げることができません。必ず切り口を新しくしてから水に活けましょう。保水のペーパーやアルミホイルがついていたとしても、です。
短いミニブーケとかでも、1センチでもいいので切りましょう。絶対だ。
できれば:花瓶とは別の、深い水の中でカットするとなお良し。

茎をカットしてそのまま花瓶に入れるのでもいいのですが、もし余裕があったら『水切り』をしてみましょう。
1.花瓶とは別の、深めに水が張れる容器を用意する(ボウルとかバケツとか洗面器とか)
2.水の中で、茎をカットする。なるべく深いところで切るとなお良し!
3.しばらくそのままの水につけておいてから、花瓶に活ける
水の中で茎をカットすることで、水を吸い上げる導管(茎の中の管)に空気が入らず、水をスムーズに吸い上げてくれます。
深い水の中で切るとそのぶん水圧がかかるので、水が吸いあがりやすくなるという仕組み。
絶対ではないけど、余裕があったらやってみてほしいひと手間です。
カットの仕方を覚えよう
買ってきた切花は、まず茎をカットしてから水に活ける!!
ハイ、覚えましたか?
「じゃあ、どんな切り方でもいいの?」というと、花の種類によって最適な切り方があります。
ななめに切る

ほとんどの切花は「ななめに切る」でオッケーです。
ななめに切ることで切り口の面積が大きくなるので、水を吸い上げやすくなります。
バラとかカーネーションとかユリとか、諸々有名な切花はだいたいナナメに切っておけば大丈夫です。
まっすぐ切る

茎が水に弱くて腐りやすいものは、ななめに切らない方がいい場合もあります。
切り口が大きいことで、雑菌も繁殖しやすくなってしまうためです。
代表的なのはガーベラとかヒマワリ。
ガーベラは特に一般の方でもよく手にすると思うので、ガーベラはななめに切らない方がいい、と覚えておきましょう。
折る

ハサミを使わず、手で折った方がいいものもあります。
折ることで茎先がほぐれ、繊維が露出して断面の面積が大きくなるので、より多く吸水ができます。
代表的なのはキク類やトルコキキョウです。
割りを入れる

茎が太いもの、枝っぽいものは、割ります。割る方法も色々あるんですが、とりあえず茎に対して垂直にハサミをいれて、一文字か十文字に割っておけばいいです。
枝物全般。よく使う実もののヒペリカムなども。あと、太いストックなんかも割ったりします。
飾ってから、2日目以降にやること
さあ、無事に花瓶に切花を活けました!この後はどんなお手入れをすればいいのでしょう?
水替えをする(苦にならない程度に)

切花を活けた花瓶の水は、徐々にバクテリアが発生してきます。ずーっと放っておくと、ぬるぬるしたり、水が濁ったり、それでも放っておくと茎がドロドロに腐ったりします。
なので、そうなる前に水を取り替えるのがメインのお手入れになります。
難しい質問ですね。
というのも、バクテリアが発生するスピードは季節(温度)によっても全然違うし、活けてある切花の種類によっても違うからです。
一般に、寒くて冷たければ水は汚れにくい。暑くて水の温度も高いときは汚れやすいです。
もちろん毎日替えればいいのですが、それも大変だし、そこまで必要ない場合もあります。
水を替えるのがストレスになってしまったら、せっかく花を飾ったのに本末転倒。
様子を見て、水が少し濁り始めたかな?と思ったら替える、くらいでいいのではと思います。
(ただし、ずーっと放っておいてドロドロになると、片付けが非常に憂鬱になります。そこまでにならないように、観察はしましょう)
「水を替える」+「花瓶を洗う」+「茎をカットする」はセットです。

勘違いしている方もいるのですが、『水替え=水を交換する』だけではありません。
『水替え』というのは、
「花瓶を洗う」
「新しい水を入れる」
「茎をカットして新しい水に入れる」
の一連の作業のことです。これをトリプルセットでやらないと効果半減です。
花瓶を洗わないとまたすぐバクテリアが発生してしまいますし、茎の切り口が古いままでは元気に水を吸い上げることができません。
花瓶は普通の食器を洗うように、食器用の洗剤をつけたスポンジでごしごし洗いましょう。ぬるぬるが取れます。
水替えは毎日しなくてもいいです。が、水替えをするときはこの一連の作業をセットでやりましょう。
補足:お花屋さんがやっている『水あげ』って何?

今まで書いてきたことは、一般の方が、お花屋さんで買ってきた花を、家庭で活けるとき のやり方です。
私の独断で、簡略化して書いている部分もあります。(だっておうちでこれ以上面倒なことやれないと思いませんかー?)
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これとは別に、お花屋さんでの仕事として『水あげ』という作業があります。
この『水あげ』がきちんとされているからこそ、一般の人が簡略化したやり方で飾っても大丈夫なのですね。
『水あげ』は、市場から買ってきた花を店頭に並べる前にする仕事で、「一時仮死状態になっている切花に、水を吸わせる作業」と思ってもらえればよいと思います。
切花は生産者さんの畑から、市場を経由しセリなどにかけられ、各々の花屋さんに運ばれてきます。
昔はその間ずっと段ボールに入れられ、水につけない輸送(乾式輸送)がされていたので、まず『水あげ』をして花を復活させてから、店頭に並べたり商品を作ったりしていたわけです。
茎を沸騰した湯につける「湯あげ」や、切り口を焼く方法、ミョウバンや酢を使う方法…などなど、『水あげ』は花屋の腕の見せ所だったのです。
昔に比べて現在は、輸送の方法も大きく改善され、バケツの水に入れたまま輸送する湿式輸送も多くなりました。(もちろん乾式輸送もまだあるし、元気のない花を復活させる水あげテクニックは今でも花屋必須の仕事です)
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インターネットを検索すると、これらのテクニックがあたかも一般の家庭でも使うかのように書かれていたりしますが、これはあくまで花屋の仕事(と私は思います)。
きちんと仕事されているお花屋さんで買ってきた切花なら、この記事で書いた程度の作業で問題なく家庭で楽しめるはずです。
どうか難しく考えずに!おうちで切花を楽しんでほしいと思います。
「切花を買ってきたらやること」まとめ
それではまとめです。一個人の花屋経験から独断で簡略化した、まずこれを覚えてほしい!!基本です。
買ってきた切花は、花瓶に入れる前に必ず茎をカットすること!
水替えは、水が濁り始める前にできればベスト(毎日でなくてもいい)
水替えするときは必ず、花瓶を洗剤で洗う&茎をカットする!
切花の種類に合わせた茎の切り方とか、水切りとかは、まあ、余裕があったらやりましょう。
この基本をまずおさえて、気軽な気持ちで切花を楽しんでみてくださいね。
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