ここ数年の自分のバイブルともいえる本が、伊藤洋志さん著『ナリワイをつくる ー人生を盗まれない働き方』です。
正社員で花屋に勤めるのも違和感がある、お金ためてお店開く!というのも違う気がする…と思っていたときに、読んでとても参考になった本。
その著者である伊藤洋志さんの講演会が葛飾区の図書館で開催されるということで、聞きに行ってきました。なんと無料です!葛飾区ありがとうー。
講演会を聞いて、自分にとってグッときたポイントをまとめてみます。
専業の呪縛を解くこと
ナリワイの基本は『複業』です。ひとつひとつの仕事は小さいけれど、それを組み合わせることで生計を立てるという考え方。
それはつまり、ひとつの仕事で食べていかなきゃ、起業するならそれで食っていけて一人前、という呪縛を解くことです。
これがなかなか難しい。
放っておくと、中途半端でスミマセン、まだ発展途上なんです、という申し訳ない気持ちになりがちです。誰に謝る必要もないのにね。
それに対して、『自分が飽きないペース・サイズの仕事にする』というお話がしっくりきました。
いくらやりたいことでも、単体で事業を成り立たせようとすれば、けっこうな頻度で同じことをやらなければいけなかったりもする。
同じレッスンを何度もやる。好評だったツアーを毎月やる、などですね。
それって飽きるやん、自分がつまらなくなるやん、というのが伊藤さんの立ち位置。
「飽きるか飽きないか」というあくまで自分の主観で、これ以上はやりたくない、という感覚を優先してもいいんだなあ!とハッとしました。
ナリワイのつくり方のコツ ―3つの要素―
ナリワイを実際につくるとき、気にしておくといい要素は3つ。
「余っているもの」「無駄な支出」「特技・関心(友人知人含む)」
だそうです。
『余っているもの』はわかりやすい。借り手のつかない物件や、あまっているスペース、人手が足りなくて収穫が追いつかない農産物とかですね。
『無駄な支出』というのは、自分が生活の中で「コレ高いなー」「こんなものに○○円もするのか」という感覚。
『特技・関心』は、自分だけでなく、友人知人・会った人の特技や関心も覚えておくのがポイント。
この3つを気にして頭に集めておくと、コレとコレ組み合わせたらいけるやん!というのが見つかるそうです。なるほどなー。
友人知人が得意なこと、何に関心を持っているかとか、意外と見落としているなあと思いました。
他人のリソースも、自分のデータベースの中に入れておくということですね。
場当たり的にならない工夫・継続する工夫
「小さな仕事をいくつか作る」というのはできたけれど、自分が実践できてないなーと思ったのはコレ。
具体的には、ひとつひとつの仕事に対してやったことをまとめてホームページにしておく(情報を蓄積していく)などですが、大事なのは『継続していけばいくほど楽になる』ことを目指すこと。
興味のある人(サービスを受ける人)を集めやすくしておくということですね。
場当たり的にならず、ちゃんと蓄積していくという地道な作業が大事です。うう、ちゃんとやろう…
著者・イトウさんはどんな人?
「ナリワイをつくる」をはじめ、何冊か出版された本はだいたい読んでいますが、本物の本人を見るのは初めてです。どんな人だろー?と開始前から興味津々。
お話は淡々と、少し関西弁が混じりつつ、軽快で軽妙。
盛り上げようとしてる風でもないのに、こっちまで楽しい気分に。わくわくが伝わってくるような感じというのかなあ。
ひとことで言うと『とっても楽しそう』な人でした。
きっと、自分がやっていることを自分でも面白がっているんだろうな。だからあまりネガティブじゃない。前向き。
そしてそれはとても大事な要素だなーと思いました。その方が仲間もふえるし、巻き込まれたくなるものね。
そしてフットワークが軽い。目立たずサッと動く忍者のようです。
空き物件見つけたら不動産屋に電話するのが趣味、みたいなことを言っておられました。すごい。
もっと軽やかに。楽しく。
ナリワイ伊藤さんの講演を聞いてきました。いやー、おもしろかったです。自分に足りないのはあの軽やかさだな。失敗してもマイナスではないのだから、サクサクどんどんやりましょう。まずやる、小さくやる、こっそりやる、一度やったら二度目もやる!
— 高畠美月 (@unimizuki) 2017年3月20日
講演を聞き終わって、とっても肩の力が抜けた感じがしました。
もっと軽やかでいいんだー って。
ついつい深刻ぶってしまうのは自分の癖なので、もっと気楽に、軽やかに、楽しく、ササッとやればいいんだわ。と心が軽くなりました。行ってよかったなあ。
その他の著書も、どれも面白いのでオススメ。
今の働き方に疑問を持っている人は、読んでみるといいかもしれませんよ。