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『エルマーと16ぴきのりゅう』の金魚草(スナップ)と噛みつく竜の話

エルマー 金魚草

児童文学の『エルマー』シリーズをご存じですか?

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小さいころ図書館で借りた、親に読んでもらった…という記憶がある方も多いのではないでしょうか。

エルマーのシリーズは、『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』の3部作からなっていて、エルマーという少年がりゅうを助けて冒険をするお話です。

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私も小さい頃このエルマーシリーズが大好きで、エルマーの冒険にハラハラしたり、エルマーとりゅうとの関係をうらやましく思ったりしたものです(エルマーはみかんを食べ、りゅうはみかんの皮を食べる。ふたりはベストパートナー!)。

本の解説は児童文学を専門にするサイトが多くあるので調べていただくとして、3作目の『エルマーと16ぴきのりゅう』に金魚草の描写が出てきます。ハナラボは花のサイトなので、ここで出てくる金魚草について考察をしてみたいと思います。

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*エルマーシリーズを読んでみたいと思った方は、お話が続いているので『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』の順番に読んでくださいね!

洞窟の入り口を隠す「金魚草」

金魚草が出てくるのは、りゅうを捕まえようとする人間たちによって、りゅうの家族がほらあなに閉じ込められている場面。

助けにむかったりゅうは、ほらあなへ続く別の小さな穴を見つけますが、その入り口には金魚草がしっかり根を張っています。

りゅうは「そっと掘れ…金魚草がうごくと人間が気づくぞ」と言いながら金魚草のまわりを掘って、洞窟に入ることができます。

描かれているりっぱな金魚草!絵を見るとたしかに金魚草ですね。それにしてもどうしてここで金魚草が出てくるのでしょうか?


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金魚草の英名は『snap dragon』

そう、金魚草の英名は『snap dragon』

これは「噛みつく竜」という意味なんです。まさにりゅうのお話にぴったり!

ちなみになぜ「噛みつく竜」なのかというと、ひとつの花を取って触ってみるとわかります。

ぱくぱくと動きますね。これが「噛みつく」の由来なのだそうです。日本人はひらひらとした花の様子から「金魚」を思い浮かべたのに、ずいぶんと違うものですね。

英語版も読んでみた

イラストは同じ

原典ではどんな表現をされているのか気になって、英語版を取り寄せて読んでみました。

「He tried to pass into the tunnel, but the roots of snapdragons had grown over the entrance, and dirt had washed in from above.」

確かにsnapdragonて書いてありますね!dragonのお話だから登場させたのかな~?

キンギョソウ以外に出てくる花たち

りゅうが家族を助けようとする洞穴のシーンでは、他の植物も描写されています。

ほらあながあるのは、”山にかこまれたうつくしいみどりのまきば”。まきばの真ん中には深い湖があり、周りの山から小川が流れ込んでいます。

小川のふちには、りんどうや、やまももそうや、カステラソウなどのきれいな花がこぼれるように咲いています。そしてまきばのここかしこに、大きなきんぎょそうが、むらがってはえています。(エルマーと16ぴきのりゅうより)

ここを英文で読むと、

Masses of wild flowers,gentians,butterfly weed,painted cup,all colors,paraded along the brooksides.

gentiansはリンドウですね。butterfly weedは調べると「ヤナギトウワタ」のこと。オレンジ色で、蝶が寄ってくる花のようです(→参考サイト

painted cupは調べてみると、たぶんこれ(→参考サイト)アメリカやカナダの標高の高い山に生える草花のようです。りゅうがいた山はこのへんなのかもしれませんね。

学名がCastilleja septentrionalisなので、カステラソウと訳したのかな…?

このサイトを見ると、なんとなく風景がイメージできるかもしれません。北アメリカの、ちょっと標高が高い場所の野草たちです。

まとめ

児童文学の名作・エルマーシリーズの『エルマーと16ぴきのりゅう』から、金魚草が出てくるシーンを読んでみました。

日本人には金魚に見える花ですが、英名は「snap dragon(噛みつく竜)」。りゅうのお話にふさわしい花だとわかりました。

また、他の草花も英語版で確認することで、りゅうがいた山の風景がちょっとイメージできました。こういった作業をすると物語の解像度があがって、よりイマジネーションを膨らますことができますね。

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物語にでてくる植物や花も深堀りしてみると面白いもの。みなさんの心に残っている作品があればぜひ教えてください!

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