お花屋さんの店頭に置いてあるお手軽価格のミニブーケから贈答用の大きな花束まで、様々な場面で見かける「ドラセナ」は、葉ものの中でもお花屋さんで入手しやすいグリーンのひとつです。
今回は切花として出回る「ドラセナ」の種類や、扱い方について解説します。
ドラセナってこんなグリーン!
ドラセナの基本情報です。
ドラセナの基本情報
学名:Dracaena
分類:リュウゼツラン科/ドラセナ属科 / 属
和名:千年木・匂い千年木
原産地:熱帯アジア・アフリカ
温暖な気候の沖縄や東南アジアからの輸入品が多いドラセナは、1年を通じてお花屋さんで出回っています。
価格は1本200円前後。品種によって100円代から見かけます。
色は鮮やかなグリーンからシックな赤色のものも。白や黄色っぽいスジや斑点模様(専門用語で斑[ふ]と言います)が入っている個性的なものまでたくさんの種類があります。
葉ものとして使うドラセナの種類
葉が幅広のタイプ
代表品種は「コーディラインスノーホワイト」や「コーディラインレッド」など。緑葉に赤いラインが入った「アメリカンフラッグ」なども個性的です。
”ドラセナ”と言ったらお花屋さんはまずこのタイプを思い浮かべるでしょう(通称・青ドラ、赤ドラと言ったりします)。
大小問わず、フラワーアレンジやブーケで大活躍。大きなスタンド花やアレンジには茎ごと挿し、ミニブーケには葉を一枚ずつ切り離して使います。葉先をくるんと丸めてブーケの外側に使うのも定番ですね。
葉が細かい・細いタイプ
葉が幅広のドラセナに比べ、葉が細かったり細かかったりするタイプ。
代表品種は「サンデリアーナ」「インディアナ」「パープルコンパクタ」など。また細い葉が先端からたくさん付いているタイプでは「ホワイボリー」や「レインボー」があります。
これらは葉を1枚ずつ使うことはなく、茎ごと挿して使うタイプ。ボリュームが出て色も鮮やかなので、スタンド花や大型のアレンジメントに活躍します。
ドラセナ・ゴッドセフィアーナ
たまご型の葉に、黄色や白の斑点模様が特徴のドラセナ。上記2種とは結構見た目が違いますが、これもドラセナの仲間。
学名は Dracaena surculosa(ドラセナ・スルクロサ)なのですが、旧学名がDracaena godseffiana(ドラセナ・ゴッドセフィアーナ)だったため、いまでもゴッドセフィアナと呼ばれています(花屋通称・ゴッド)。
代表品種は「フロリダビューティ」など。
ドラセナの飾り方・日保ちについて。
ドラセナは日持ちする?
ほとんどの品種が1週間以上日保ちします。活けているお水を清潔に保てば、茎からいつのまにか発根し、そのまま水耕栽培ができてしまうことも。
ドラセナ・ゴッドセフィアーナだけは、茎と葉の接点が小さいため、置き場所など管理によっては5日程で葉がパラパラと落ちてしまいます。乾燥に弱い面があるようです。
ドラセナの飾り方・飾るときの注意など。
水あげはよいので、茎をカットして水に活けるだけで大丈夫。茎はななめに切りましょう。
葉っぱを外して使うより、茎ごと使う方が傷まず長持ちします。
ドラセナの花言葉は?
花言葉は、『幸運』『開運』『長寿』 など。
品種・合わせたいお花・おすすめの使い方。
どんな花にも合わせやすい名脇役
ドラセナはいわば名脇役。頭が大きいバラやガーベラのような「THE主役」といった花たちに添えてあげるとドラセナの色が活きてきます。
丈の短いお花と合わせたり、お手持ちの花瓶が小さい場合は大きな葉のドラセナ類は選びづらい…。そんな時は茎から葉を一枚ずつ切り離し、葉先を丸めてホチキスなどで止めるとお花屋さんのミニブーケのようにアレンジすることができます。
とにかく日保ちが良いドラセナは夏場の熱い時期にも大活躍。
ヒマワリはもちろん、アンスリウムやモカラやデンファレなどのラン類とも相性抜群です(同じ熱帯出身ですしね)。鮮やかな花たちを引き立てます。
魅力は葉色の豊富さ
白い斑が美しい「サンデリアーナ」や、ピンクの葉色が美しい「クリスタルピンク」、艶のある黒がカッコいい「パープルコンパクタ」など『葉ものは緑色』という常識を覆しているのもドラセナのすごいところ。
ドラセナ単品で飾っても、存在感は抜群です。
ドラセナの豆知識いろいろ。
有名なあの観葉植物も「ドラセナ」
フラワーアレンジに大活躍な「ドラセナ」。じつは観葉植物(鉢植え)としてもメジャー級です。
『幸福の木』はドラセナ・マッサンゲアナ。『真実の木』はドラセナ・コンシンネ。茎がくねくねと複雑に編み込まれた『ミリオンバンブー』はドラセナ・サンデリアーナ。
そう、皆さんもきっと見たことがあるあの観葉植物も、ドラセナの仲間なんですね。
「幸運」をはじめ「開運」や「長寿」など縁起のいい花言葉をもち、贈り物で人気な理由も頷けます。
こういった花言葉も理由の一つなのか、お花屋さんでは日本人以外にもアジア系の方々にも大変人気な植物です。
ドラセナも花が咲く?
お花屋さんで出回っているドラセナはほとんど葉ものとして流通しているため花はついていないのですが、ドラセナも植物なので根っこがついているときは花が咲きます。
品種により異なりますが、うねうねと伸びた花茎の先に半球状に複数の花が咲きます。オフホワイトや淡いピンクや紫の花をつけますが開花するのはごく稀…。
花を咲かせるのは十数年に1回などと言われているので、お目にかかれたらラッキーですね!
「ドラセナ」まとめ。
ドラセナのまとめです。
・1年中お花屋さんで出回っており、たくさんの品種がある
・基本的に長持ちするが、ゴッドセフィアーナは少し乾燥に弱い
・様々な花たちを引き立てる名脇役
・「幸運」など縁起の良い花言葉がついている
・観葉植物の「幸福の木」「真実の木」「ミリオンバンブー」などもドラセナ
お家でお花を飾りたいけどあと少し何か足したいな・・・と思った時、ぜひお花屋さんのグリーンコーナーを覗いてみてください。
名脇役と言ったものの、シンプルにドラセナ一本で飾るのももちろんOK!自分好みのドラセナを探してみてくださいね。
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