青い花として人気がある切花といえば、『デルフィニウム』。
天然でクリアな青い色素をもつ花はとても少ないので、色味指定の注文では欠かせない花材のひとつです。
デルフィニウムには大きく分けて3つの系統があり、同じ「デルフィニウム」と呼ぶのがためらわれるほど、花の姿が大きく違います。
切花として扱われる場合には、「~系」と呼ばれることは少ないのですが、その違いは歴然。今回は、3系統の違いや見分け方についてまとめました。
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【切花図鑑】デルフィニウム|花言葉・出回り時期・花もち・飾り方
デルフィニウムの3つの系統を比較しよう
まずは画像で比較しましょう。お花屋さんに切花として出回る「デルフィニウム」の3系統はこちら。
一般的に「スプレー咲きのデルフィニウム」と言われるのが、シネンシス系。
1本が枝分かれしており、小さな花がそれぞれの先端についています。
スタンド花や大型のアレンジメントに使われることが多く、ジャイアント系品種なども含まれるのが、エラータム系。
1本の茎に縦長に花がついていて、ラインフラワーとして使われます。
そしてその中間の特徴をもつのが、ベラドンナ系。
枝分かれはしているけど、花が付いているのは真ん中の1本。エラータム系ほどの大きさはなく、花の雰囲気はシネンシス系に近いです。
お花屋さんでよく見る頻度は、
①シネンシス系
②エラータム系
③ベラドンナ系
1本あたりの値段は、
①エラータム系
②シネンシス系(ものによる)
②ベラドンナ系(ものによる)
といったところでしょうか。
それぞれの系統ごとに、水色・青・白・ピンク・ラベンダー色など色々な品種があります。
それでは、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
スプレー咲きのデルフィニウム【シネンシス系】
お花屋さんで一番よく見かける「デルフィニウム」といえばコレだと思います。
枝分かれしており、小さな花がたくさん付いています。あとで詳しく述べますが、シネンシス系は、デルフィニウムの花に特徴の「距(きょ)」という部分がありません。(絡みやすいので、品種改良でなくなっています)
花束・ブーケ・アレンジにも使いやすく、1年中出回っています。濃い青・水色・ラベンダー色・ピンク・白などの品種があります。値段は大きさによって違いますが、1本400~700円くらいが多いでしょう。
有名な品種
・SPマリンブルー(濃い青)
・SPパールブルー(水色)
・スーパーラベンダー(ラベンダー色)
など
1本立ちで大きなデルフィニウム【エラータム系】
スタンド花などに入っているのをよく見る、大型のデルフィニウムがエラータム系です。
ちなみに、お花屋さんは「エラータム系」という言葉を使わないので通じないかもしれません。1本のタイプ、とか大きくて長いやつ、とか言えば伝わります(笑)
大きいので、あんまり自宅用に買う人は少ないかもしれません。でも、スタンドやアレンジにはよく使うので、お店で見かけることはあると思います。
八重咲でボリューミーなものもあり、比較的高価な花のイメージ。1本500~1000円くらいするものもあるでしょう。濃い青・水色・ラベンダー色・ピンク・白などの品種があります。
デルフィニウムの花の特徴は、花の裏側にツンと飛び出た突起があること。これを「距(きょ)」といいます。
エラータム系は、花一輪でも存在感ある大きさですね。
有名な品種
・オーロラブルー(濃い青)
・オーロララベンダー(ラベンダー色)
など
シネンシスとエラータムの中間【ベラドンナ系】
前述したシネンシス系とエラータム系の、ちょうど中間くらいの特徴をもつのが「ベラドンナ系」のデルフィニウム。
この系統は、デルフィニウム・エラータム(Delphinium elatum)と、シネンシス系のデルフィニウム(Delphinium grandiflorum)を交雑してできた園芸品種群です。
枝分かれはしているけど、メインは真ん中の1本。花1輪ずつ見るとシネンシス系に近い感じですが、花の裏側の「距(きょ)」はあります。花の付き方は縦に並んでつくので、エラータム系と同じく、ラインフラワー的に使います。
長さによって価格はまちまち。エラータム系ほどは高くなく、短い安価なものもあります。
濃い青・水色などの色があります。
有名な品種
・フォルカフレーデン(濃い青)
・水のワルツ(水色)
・ボルクレイド(水色)
など
いろんなデルフィニウム写真館
「デルフィニウム」とひとくちに言っても、全然見た目の違う系統が3つあり、さらにそれぞれに色々な品種がある、ということがお分かりいただけたでしょうか。
大型のデルフィニウムはなかなか花屋さんで見る機会も少ないけれど、迫力があってとても素敵です。スプレー咲き(シネンシス系)も、濃い青と水色だけじゃなく、繊細な色の品種がいくつもあります。
なるべく色々なデルフィニウムを見ていただきたいなあと思うので、写真を撮ったらこちらに載せていこうと思います。「青い花」としてデルフィニウムは有名になりましたが、色も形もいろいろあるんだぞ!ということが伝わればなによりです。
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