こんにちは。お花に関係する行事をご紹介する【お花屋さんの花行事】のコーナーです。
お花を楽しむ人には、季節ならではのお花を逃さず楽しんでほしい。お花を売る人には、うっかり忘れずお客様に情報を伝えて売ってほしい。ということで、お花に関係する行事を毎年リマインドしていこうと思います。
9月9日『重陽の節句』。
別名「菊の節句」とも言われる重陽の節句。桃の節句(3月3日)や、端午の節句の菖蒲ほど認知されていない感もありますね。
「重陽の節句」の由来やキクの花言葉、楽しみ方をまとめてみました。
『重陽の節句』の由来は?
節句は古代中国の陰陽五行説に由来しています。奇数(陽の数字)は縁起が良いとされ、奇数が重なる3月3日・7月7日・9月9日などは良い日と考えられています。
中でも一番大きな奇数(陽)が重なる9月9日を「重陽」と呼び、菊の節句として親しまれてきました。
菊は薬効があり、古くから人間に深くかかわる植物。古い書物には、菊が群生している谷を下ってきた水を飲んだ村人たちが長寿になったという「菊水伝説」もあります。
そのことから、重陽の節句には菊を浮かべた酒を飲んだり、菊につく朝露を綿に含ませて口にしたりといった習慣がうまれました。日本では平安時代に、貴族たちも行事に取り入れていたそうです。
キクの花言葉は?
キクの花言葉は、『高貴』『高尚』『高潔』『逆境において快活』 など。
日本では天皇家の紋章になっているだけあって、高貴なイメージの花言葉がついています。
キクに関する詳細はこちらのページもどうぞ。
本当の菊の季節は1か月後?旧暦とのかかわり
重陽の節句は菊の季節ー。
確かに現代の9月は秋のイメージですが、本来の節句は旧暦。現代に照らし合わせると、薬1ヶ月後が本来の「重陽の節句」になります。確かに、自然下で菊が咲くのはそのくらいの時期ですね。
ただし、お花屋さんに並ぶ切花は、自然に咲く花より先取りで早く並ぶもの。
秋の花である菊が豊富に出回るのは、まさに現代のカレンダーの「重陽の節句」にぴったりです。
まあキクは一年中出回っている花ではあるのですが、9月はお彼岸もあるので、特に種類は豊富になります。普段見られないような豪華な洋マムや、カラフルなスプレーマムが手に入りやすいのも嬉しいですね。
現代の「重陽の節句」の提案
桃の節句や端午の節句、七夕に比べると、どうしても存在感が薄い「重陽の節句」。
本来の意味に立ち返れば、菊のエッセンスを取り入れることで健康や不老長寿を願う日です。お花屋さんとしては、そんな菊の食卓に、「愛でる菊」も取り入れることを提案したいところ。
食用のキクはスーパーでも手に入れやすいので、菊の料理とコーディネートした菊のアレンジなんかも素敵ですね。(個人的には菊をお酒に浮かべて飲むのをやってみたい!)
クックパッドでも、重陽の節句にからめたキク料理がいろいろ!→●
ただし、お花屋さんで売られているキクは観賞用です。食用とは農薬などの基準も違うので、あやまって食べないように気を付けてくださいね。