夏の花壇などでもよく見かける「グラジオラス」。花屋さんにおいては、その長い丈で大きなアレンジメントやスタンド花を作る際に重宝する花材です。
カラフルで夏らしい「グラジオラス」をご紹介します。
グラジオラスってこんなお花!
グラジオラスの基本情報です。
グラジオラスの基本情報
学名:Gladiorus hybridus
分類:アヤメ科 / グラジオラス(トウショウブ)属
和名:唐菖蒲・オランダアヤメ 英名:gladiolus
原産地:南アフリカ
暖地から高冷地まで産地があり、栽培時期をずらして出荷されるため、一年中手に入れることができます。お花屋さんでは、葬儀や大型のアレンジ・スタンド花などに使われる定番の花。
旬は夏なので、出回り時期が多いのは6月~10月頃。店頭でよく見かけるのも夏が中心です。価格は1本200~400円くらいでしょうか。
色も豊富で、白・ピンク・赤・黄色・緑・オレンジ・紫・複色咲きなど、カラフルに揃います。
市場から入荷するときはほとんどつぼみの状態なので、最初はとっても地味。徐々に咲き進んでいくと華やかな花が見られます。
グラジオラスの切花の飾り方・日保ちについて。
グラジオラスの切花、日持ちはする?
グラジオラスは、夏が旬の花。暑さにも強く、比較的日持ちする花です。
ただし、そのままの姿で長持ちするわけではなく、「咲き進んでいくので結果的に長持ちする」タイプの花。
下から順に咲き進んでいきます。
最初に咲いた下の方の花は2~3日で萎れてくるので、順次摘み取っていきましょう。咲き終わった花をきちんと摘み取るのが、キレイに長持ちさせるコツです。
グラジオラスの飾り方・飾るときの注意など。
グラジオラスの花は下から咲き進んでいきますが、切花では、先端の先端までは花が咲きません。
なので、お花屋さんによっては、入荷した段階で先端を折り取る処理をします。
矢印のあたりから、ポキっと折ります。
花が咲かないつぼみを取ることで今ある花が元気に咲くこと、また、咲かない部分は徐々に黄ばんできてしまうので、それを避けるためです。
グラジオラスの花言葉は?
花言葉は、『密会』『忍び逢い』『愛の祈り』『勝利』 など。
古代ヨーロッパでは、人目を忍ぶ恋人たちがこの花の数で密会の時間を知らせていたとされ、花言葉の由来になっています。
下から順に咲いていくグラジオラスが時計代わりだったなんて、ちょっとロマンチックですね。
品種・合わせたいお花・おすすめの使い方。
すっとしたラインを生かそう!
グラジオラスの特長は、なんといってもスラっとした花姿。短く切って飾るより、その長さを生かして飾れると素敵です。
大きめの花瓶に、グラジオラス数本とグリーンだけ!みたいな、潔いアレンジが似合います。
入荷してから咲くまで時間がかかるので、ご予約はお早めに!
グラジオラスが市場から入荷してくるときは、ほぼつぼみの状態。
季節によっては、花が咲いて使えるようになるまで数日かかることもあります。「どうしてもグラジオラスを使いたい!」というオーダーの場合は、早めにお花屋さんに相談しましょう。
グラジオラスの豆知識いろいろ。
名前の由来は「グラディス」=剣。
「グラジオラス」の名前の由来は、ラテン語で”小さな剣”を意味する「グラディス」。
鋭い剣のような葉っぱのかたちから、この名前がついたと言われています。
グラジオラス、栽培の歴史
18~19世紀中頃にかけて主にイギリス・フランス・オランダで改良が進められ、ドイツを経てアメリカへ渡りました。
19世紀末のアメリカで、乾燥と強い陽射しに適したものが作出され、その後はアメリカが生産の中心となっています。
日本には江戸時代末期に入ってきましたが、栽培が普及し始めたのは明治の終わりごろになってからのこと。
切花のグラジオラス、まとめ。
グラジオラス、まとめです。
・旬は夏の花。
・縦長のラインを生かして使うとよい。
・入荷するときは完全なつぼみ状態のものも。開花調整が必要。
・名前の由来は「グラディス=小さな剣」。鋭い形の葉っぱに由来。