こんなサイトあるんだ。農林水産省の「少量花材安定供給体制構築支援事業」によりつくられた「いけばな花材マニュアル」。いけばなでよく使う花材について、各流派ごとに使う頻度や産地がまとめられてる。へえ。https://t.co/zmk99aAcPv pic.twitter.com/12kVyCO83e
— 高畠美月 (@unimizuki) 2018年9月26日
けっこう役に立つじゃん!と思ったのでメモ。
「いけばな花材マニュアル」サイトとは。

農水省の事業で作られたサイトで、管理してるのは㈱フラワーオークションジャパン(大田市場に入ってる、大田花きじゃない方の会社ですね)。
それぞれのお花について、どの流派ではどの時期にどのくらい使うかがまとめられています。いけばな界において、流派を超えて情報がまとめられるというのは結構ないことなので面白い。
生産者情報では、産地さんの連絡先まで載ってます。

花材の種類は全部で165種。なかなかのボリュームです。
少量花材安定供給体制構築支援事業ってなに?
「少量花材安定供給体制構築支援事業」は、農林水産省による平成28年度事業です。
少量花材(いけばな花材)に焦点をあて、いけばな花材の安定的な供給体制を構築することを目的にした事業
この事業により作られたのが、「いけばな花材マニュアル」というサイトだというわけ。
このホームページは、いけばな向けの花材について、“需要者から必要とされている花材”と“供給者が生産している花材(時期や地域、規格を含む)”が需要者(いけばなの先生)と供給者(生産者)、流通関係者に理解され、需要と供給のマッチングがなされることを狙いとして作成されています。
「少量花材安定供給体制構築支援事業」って漢字が多すぎてアタマに入ってこないけど、つまり、『いけばなで使うようなマニアックな花材について、使う人と生産する人のマッチングを促そう』ということ。
マニアックな花材は、いつどこで生産されてるのか情報が少ないし、仕入れを頼まれたお花屋さんにも役立ちそう。情報がこうやってオープンになるのは良いことですね。
8品目についてはさらに詳しいマニュアルあり。
「栽培・出荷編」として、カキツバタ・コウホネ・スイセン・ボケ・イブキ・クジャクヒバ・オモト・ハラン の8種については、別サイトにリンクが。
それぞれの花材ごとに、「作例」「需要スケジュール」「各流派の求める規格」「生産のポイント」「出荷のポイント」がまとめられています。
どちらかといえば、生産者さんのためのサイトですね。
ただし、
生産者の皆様へ
このマニュアルを活用していただき、各流派が、いけばな花材としてどのような花材(規格や出荷時期など)を求めているか、知ってください。また、今後の生産において、いけばな向けの栽培・出荷についての参考にしてください。
いけばな流派の皆様へ
このマニュアルを活用していただき、皆様が使用している花材がどのような産地で生産されているのか、どのような方法で生産されているのか、知ってください。
また、求めている花材については是非、お取引している生花店にお問い合わせをしていただき、掲載産地の花材を使ってみてください。
生花店、仲卸、卸売市場の皆様へ
このマニュアルを活用していただき、いけばなの先生方が求めている花材の供給サポートをお願いいたします。
と書いてあり、花業界に携わる人みんなに「参考にしてね」ということのようです。
確かに、どれもマニアックな花材ですが、いけばなでは使うよな~という認識はあります。いざ頼まれたときに、どこの産地でいつ頃作られているか、花業界に関わる人は知っておいて損はないですよね。
フローリストのお勉強に。
花業界で働いていても、いけばなの世界は近くて遠い。たまたまいけばなの先生とお取引がある花屋さんに勤めていない限り、知らなくても特に困らない情報ではあります。
でも、我々は一応、日本人のフローリストですし!
いけばなを習ったことがなくても、知識としてどんな花がどの時期に使われるのか、などは知っておいて損はないのではないでしょうか。
仕入れを担当するような立場でなくても、ななめ読みするだけでも結構面白いと思います。
一般の方でも、このサイトを見ながら「いけばな展」なんかに行って花を見てみると、より深く作品を鑑賞できるかもしれません。
農水省の事業も、なかなか面白いことやってるんじゃん!と思ったサイトでした。お勉強がてら覗いてみてはいかがでしょうか?
