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人生のコンパスは持ってる?人を羨まない自分だけの針路を進むための『人生の勝算』

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目標に向かってとにかく人一倍の努力をする。世界を変えてやる!と熱い想いを滾らせる。

そういうアツいタイプとは距離を置いて過ごしてきた私の人生ですが、ザ・アツイ生き方代表ともいえるSHOWROOM・前田裕二さんの『人生の勝算』が意外にもすごく心に響いたのでご紹介です。

 

前田さんのことをなんで知っていたかといえば、東京MXのニュース番組「モーニングクロス」のコメンテーターで時々登場する人だから。

若いし、見た目も妙にカッコいいし、何の人なんだろう??とは思っていましたが、何か新しいサービスを作ってるIT系の若手実業家なんだろうなーという認識しかなく。

ただ、番組で展開するオピニオンやコメントがいつもすごく的確でわかりやすくて、只者ではない感は感じていました。

 

今回初の著書となる『人生の勝算』は、そんな前田さんの今までの人生と、手がけている「SHOWROOM」というサービスにかける想いなどを綴った本。

読後いろんな意味でノックアウトされ、こりゃあ只者ではないはずだわ、と大いに納得しました。私にはぜったい真似できない(断言)。でも、どういう生き方を選ぶのか、その考え方には背中を押される部分がありました。

 

さらりと駆け抜ける壮絶人生。

8歳で両親を亡くし、年の離れた兄と親戚を転々としながら暮らすことになった前田少年。

自分の力でお金を稼ぎたい!と思って街角でギターの弾き語りをするようになる…ってそのストーリーだけで「ひえー」と思うのですが、どうすればお金がもらえるようになるか、お客さんを分析し、歌う曲や場所やストーリーを考え工夫を重ねていく様子はまさに商売人。小学生にして月に10万円ほどのお金を稼げるようになっていたというのだから驚きです。

 

とにかく成功したい、逆境に負けたくない、という想いでその後の人生も突き進む前田氏。大学卒業後、外資系投資銀行に入社。不断の努力でトップの成績をおさめ、2年目にはニューヨークに栄転。

生き馬の目を抜く投資の世界、ニューヨークでもトップの成績を誇り、最上顧客を担当するまでになります。

 

当然ながら、努力の量はハンパではありません。就活のための準備、投資銀行で顧客をつかむためにやったこと、英語の勉強…etc,etc。どれもさらりと書いていますが、ものすごいことだよ?

 

それらすべては「運命に負けない」という強い想いがモチベ―ション。どんな境遇に生まれても、努力で人生は変えられる。それを証明したくて頑張ったということ。

特に不自由ない環境に生まれ、のほほんと生きている私には到底はかりしれない境地です。

 

その後身近な人の死を経験したことをきっかけに、会社を辞めて起業する道を選んだ前田さん。

SHOWROOMというサービスを通じて、エンターテイメントの世界でも努力が正しく報われる仕組みを作るべく奮闘しています。

本書では、SHOWROOMを立ち上げ軌道に乗せるまでの泥臭い努力の数々、また、今後なぜライブストリーミングが主流になってくるのかなども非常にわかりやすく解説されており、自分のように起業やITサービスに疎い人でも面白く読むことができました。

 

大切なのは、自分の人生のコンパスを持つこと。

とはいえ、これだけだったら「へーすごいですね、でも自分にはマネできないし」で終わる話。

この本で一番刺さったのは「人生のコンパス」についての話です。

コンパスとは、『自分は何を幸せと定義し、どこへ向かっているのか』を指し示すもの。

コンパスなしで人生の航海に出るのはリスキーです。荒波も押し寄せてくるし、どっちへ進んでいいかわからなくなることもある。

 

さらに印象的なのは、コンパスに基づいて「決めている」ことの強さ。

 

僕が仕事にすべてを捧げられるのは、色々な生き方の選択肢がある中で、「仕事に狂う」と決めたから。SHOWROOMに命を懸けられるのは、努力が正当に報われる仕組みを世に問うために、自分の人生を捧げると決めたから。

 

ここで前田さんは、家族を一番に大事にすると「決めている」お兄さんの例を挙げます。

 

周囲にも、あれだけ幸せそうな人は見たことがない、と言えるくらいに幸せな家庭を築いている兄ですが、それは「何を大切にするかを決めている」ということからきているような気がしてならないのです。そして、僕はそれをすごく素敵なことだと思っていて、そんな兄を心から尊敬しています。1日のほとんどの時間、仕事に明け暮れる僕の人生と、仕事は最低限で効率的にこなしつつ、家族との時間を一番大切にする兄の人生。

 

幸福の価値観は人それぞれですから、どちらが上も下もありません。もっとも不幸なことは、価値観という自分の船の指針、コンパスを持っていないということ。そして、持たぬが故に、隣の芝生が青く見えてしまうことです。

 

そして、コンパスを持たない生き方についても触れます。

コンパスを持たない旅こそが至高である、ということを「決めている」場合においては、この限りではなく、むしろ素敵なことだと思います。

 

どうやったら自分のコンパスを見つけることができるか。

それは、自分と深く向き合って、自分の心と深く対話することでしか得られません。

 

前田さんがとんでもなく頑張れる(エピソードひとつひとつが本当にヤバイ)のも、自分にとってのコンパスを正確に把握し、その方向に進むと決めているから、なんですね。

 

『勝算』には理由がある。それは誰でも持つことができるもの。

逆境は、必ずバネになる。
努力と情熱次第で、人はどんな高みにだって行ける。

この考えが間違っていないと、世界に向けて証明する。それが自分に課せられたミッションだとわかるから、SHOWROOMに人生を懸ける。

 

この本から溢れ出ているのは、確信と自信。つまり『勝算』です。

最初は「ひえー」と圧倒されるだけなのですが、読み進めていくと、その勝算は確かなコンパスと自分の決意によって裏付けられているものだとわかります。

 

それは、誰にでも持てるもの。

コンパス(価値観)は自分だけのものだし、それに基づいてどう生きていくかを「決める」のも自分です。

 

起業するとか世界一をとるとか、そんな方向性じゃなくたって全然いい。たぶんこの本が言いたいのは、自分なりのコンパスを持つことが自分の人生を豊かにしてくれることなんだよ、ということ。

 

前田さんの文章には迷いがない。やってることは無茶苦茶大変そうだし絶対マネしたくないけど、妙に清々しいのです。

それは確かなコンパスを持って、それに向かって邁進すると決めた人だからなんだ。

 

私のコンパスは最近鈍っていないだろうか?自分もしっかり針路を決めて、清々しく生きたい、と強く思った1冊でした。