花の買い方【基礎】

花屋が教える!病室へのお見舞いに贈る花のおすすめとタブーは?

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

お花を贈るシチュエーションとして、意外に多いのが「お見舞いの花」


スポンサードリンク




入院している人を見舞うとき、手土産にお花を持って行くことは多いですよね。

でも「どんな花でもいいのかな…?」と不安になったことはありませんか?

せっかくの気持ちですから、迷惑になることなく、喜んでもらえるような贈り方をしたいですよね。

お花屋さんは「お見舞いの花」という用途でお花を用意するとき、どんなことに気をつけて作っているのか。

どんなトラブルが起きがちなのか。

お花屋さんの視点から、お見舞いのお花を選ぶ際に注意すべきポイントをおさらいしてみました。

病院のお見舞いには「アレンジメント」がおすすめ。

花屋さんで贈りものにお花を、と言うと「花束にしますか?アレンジにしますか?」と聞かれることが多いと思います。

入院している方へのお見舞い(病院に持っていく場合)なら、迷わずアレンジメントを選びましょう。

アレンジメントとは、吸水スポンジに切花を挿してあるもの。そのまま飾ることができるのが利点です。

アレンジメントは水を足すだけなので管理が簡単

花束の場合、もらった人がラッピングをはずして花瓶に活けなければなりません。

患者さんが花瓶を用意しているとは限りませんし、狭い病室で水の入った花瓶を置くのは大変。花瓶に花を活けたら、水替えも必要になります。

アレンジメントの管理は、スポンジが常に湿っているように水を足すことだけ。

万が一ひっくりかえしても、花瓶を倒したときのように水が大量にこぼれることもありません。

毎日お見舞いに行けるご家族などでなければ、お見舞いの花はアレンジメントにしておくのが無難です。

病室に持っていくお花は「アレンジメント」がおすすめ


スポンサードリンク




お見舞いのアレンジにNGな花は?

鉢植えの花は、避けた方が無難

一般に、根の付いた鉢もの は「寝付く」に通じ、縁起が悪いと言われ避けられています。

お客さんに鉢植えをお見舞いにしたいと言われた場合、一応そのように言われていますよ?と確認をします。(もちろん、双方がわかったうえで鉢植えが好きな方に贈るのであれば、問題はないと思いますよ)

香りの強い花はNG

切花で避けるものはまず、香りの強いもの代表的なのは、オリエンタル系のユリなどでしょうか。

狭い病室では思いのほか香りがこもりますし、同室の方に迷惑になることもあります。お花屋さんが「お見舞いの花」と聞いたら、香りの強い花はまず選びません。

その他、お花屋さんが避けるポイント

お見舞いのアレンジメントをオーダーされた際、お花屋さんが気を付けているポイントは他にもあります。

まず、色の強いもの・特に赤色の花は積極的にはおすすめしません。

赤は血を連想しますし、体の調子が悪くて寝ている時ですから、目が疲れるような強い色は避けた方が無難。ビビットな色は避け、明るい色味やパステルカラーを使うことが多いです。

 

また、真っ白や薄紫など、お悔やみを連想してしまうような組み合わせも避けます。

これは白や紫の花がダメということではなく、使い方ですね。パッと見「お供えっぽい」雰囲気にならないように気を遣います。

「お見舞い用です」と伝えれば花屋は気を使ってくれると思いますが、白や紫のお花だけだと若干お供えっぽさが出る危険性はあり。「白が好きな方なので」とオーダーされることはありますが、本当に病室に届けて大丈夫?と確認はしたいところです。

 

その他、細かいことですが、咲き進んできたときに散りやすいもの・花粉が目立つようなものも避けるようにしています。

これは、病室での手入れや片付けが大変かなあという心遣いですね。

—–

まあ、いろいろ書きましたが、これは「一般論」。

鉢植えが大好きで、眺めていれば元気になれる人には鉢植えを贈ったっていいと思いますし、真っ赤なバラが大好きな人には濃い赤のバラを贈ったっていいと思います。

贈る方と自分の関係性などを考慮して決めましょう。

とりあえず無難にするならば、以下のことに気をつければ問題ありません。

・鉢植えはNG

・香りの強い花、濃すぎる色(特に赤)の花は避けましょう

・「病室へのお見舞い用です」と伝え、やわらかい色味の花を選びましょう

お見舞いにプリザーブドフラワーやハーバリウムを贈るのはアリ?

ドライフラワーやプリザーブドフラワーを特殊な液体につけたハーバリウム

最近贈りものに人気な、プリザーブドフラワー」や「ハーバリウム」

生花を薬品で特殊加工して、2~3年楽しめるように加工したお花です。

このプリザーブドフラワーを使ったアレンジメントも人気で、お見舞いにもよく使われるようになっています。水の心配もいらないので手間もかからず、病室へのお見舞いにも大いにアリだと思います。

ただし!枯れないので、退院の際には荷物になるんですよね。大きいものだと結構かさばるんじゃないのかなー。

生花の「枯れたら捨てられる」というのも入院においてはメリットなので、そのあたりはよく考えて決めるといいと思います。

お見舞いにプリザーブドフラワーやハーバリウムはOK。ただし、退院の際に荷物になることも。

病院へのお花持ち込みNG議論について。

数年前から、病院への生花持ち込みNG議論というのが湧き上がっています。

 

参考記事
お見舞いの花 お断り! 大阪の病院44% 「感染症の恐れ」と言うけれど… 

 

生花を病室に持ち込むは衛生的でないのでは?という観点から、生花の持ち込みを禁止する病院も。

「花瓶の水は菌が繁殖しやすいのでは」との疑問の声から花瓶の水を調査、緑膿菌などが検出されたことから病院全体で花の持ち込み禁止策をとった

 

「免疫力が低下した患者が病原菌を体内に取り込むと危険性が高まる。病室の環境を汚染させないためには、生花の禁止は有効だ」

 

花屋としては、えー!という感じ。もちろん、さまざまな反論も出ています。

 

日本感染症学会は「極端に免疫が低下していなければ、花瓶の水や鉢植え植物は感染源とはならない。移植患者や重症のエイズ患者の病棟以外であれば、花の持ち込みの制限は不要」としている。

 

「緑膿菌は花瓶の水から飛び出して患者の口に入るわけではない。花瓶よりし瓶の方が院内感染のリスクはずっと大きい」と指摘。「一般病棟で花の持ち込みを禁止するのは、患者の安全というより、病院が自分たちの責任回避を優先させているからといえる」

 

個人的には、よほど免疫力が低下するような病気でなければ、そんなに気にしなくてもいいと思います。花があることによって、癒し効果だってありますし。

とはいえ、禁止されている病院もあるのも事実。

初めてお見舞いに行く病院では、念のため事前に問い合わせておきましょう。

病室へのお見舞いの花・まとめ

病院へお見舞いに持って行くお花、まとめです。

やわらかい色・明るい色・パステルカラーが定番

・花束ではなくアレンジメントがおすすめ

・鉢物は基本NG

・香りの強い花、赤や、強い色の花は避けましょう

・お花屋さんに「病室へのお見舞いの花」と用途を伝えましょう

・生花の持ち込み可能かどうか、病院に確認しましょう

 

とはいえ、お見舞いは気持ちが大事。

入院している人が喜ぶもの、負担にならないことを第一に考えて選べば問題ないです。

迷ったらお花屋さんに聞いてみてくださいね。

花束とアレンジメントはどう違うの?シーンに合わせて使い分けるコツ。お花屋さんで花を注文しようとするとき、「花束にしますか?」「アレンジにしますか?」と聞かれることがあります。 普段お花を買いなれて...
こちらもおすすめ