オフグリッドソーラー発電 PR

『ソーラー女子は電気代0円で生活してます!』フジイチカコさんの講演会に行ってきました

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

 

電気代0円で生活する(!)ソーラー女子こと、フジイチカコさんを知っていますか?

 

 

フジイチカコさんは、国立市の公団住宅に暮らす女性。

東日本大震災をきっかけに、2012年から電力会社との契約を切り、自分の発電した電気のみで生活しています。なにそれスゴイ。

本職は、草木染めなどの作品をつくる染色作家さんです。

 

最近、「ソーラー女子は電気代0円で生活してます!」を出版され、その記念講演会が開催されると聞いて、足を運びました。

 

―――――

 

Twitterなどで存在は知っていたものの、実際にお会いするのは初めてです。わくわく。

 

会場は角川書店です。ばばーん。

会場に上がる階段の途中に、こんなものが!

ガラス張りの明るい階段、この日はお天気も良く太陽光が差し込んでいました。これで調理中ってこと?あったまるのかなー?

太陽側はこんな感じ。ふむふむ。この黒い筒がポイントです。

講演と、ソーラークッカー初体験!

講演会は、フジイさんが取り上げられたBSの番組の映像を見たり、節電のコツやソーラークッカーの解説、レシピの提案などのお話。

フジイさんは、ナチュラル系でゆるふわっとした可愛らしい方でした。

 

会場前方には、本にも出てくる「発電アイテム」「節電アイテム」が実際に並びます。文字で読んでいるだけではわかりにくいものも、実際に見られると理解が早くてありがたい。

 

配線をつないで、手回し発電を実演してくれるフジイさん。

ご自宅にはエアロバイクをこいで発電できる「チャリ型自家発電機」もあるのだそう。なにそれ私も欲しいー!

 

そして講演が終わるころには、あのソーラークッカーで調理していたものがふるまわれました。プチケーキ、ホットアップル、干し芋など。

 

ホットアップルが本当に熱々で、ヤケドしそうなくらいに熱い!すごい!

どれも美味しくいただきました。

 

当日ホットアップルを作るのに使われていたソーラークッカーは「エコ作くん」という商品。

㈱寺田製作所 太陽熱調理器「エコ作」

 

真ん中の黒い真空2重管の部分に食材を入れるのですね。魔法瓶みたいな感じです。容量は500~1Lサイズまであるらしい。

周りの銀色シートで太陽の熱を集め、この真空管の中は200度にもなるのだそう。

 

筒型っていうのがどうも調理のイメージが湧きづらいなあ。ケーキとか焼かないし…とか思ってしまう私。(ふるまわれたケーキはとってもおいしかったです)

野菜を煮込んだり、お芋をふかしたりするには良いかもね。

 

「調理」という意味ではあんまり興味が持てなかったけど、それはたぶん私の調理に対するモチベーションの低さのせいでして…会場にお越しの奥様方は興味津々の様子でした。

(私の場合、直接火をおこしてお湯を沸かせるケリーケトルとか、アウトドア系グッズの方がそそられるのだった)

 

黒い空き缶とペットボトル、銀色のシートで似たようなものを自作する方法も紹介されました。

哺乳瓶を軽く滅菌したり、温水を作ったりできるという話には納得。緊急時には覚えていて損はないかも。

 

ゆるふわっとした雰囲気のフジイさんですが、自作ソーラーを始めてから電気工事士2種の資格をとったそうで、着々と勉強されていてすごいなーと思いました。私も見習わねば。

 

 経験から得られる貴重な失敗談

面白かったのは、「コレはやってみたけど実際には使えない」「これは危ないから今は使ってない」的なお話。

いわば失敗談なのですが、やってみた人じゃないと言えない貴重なお話です。

例えば「炭アイロン」
フジイさんは染色作家なので、アイロンは商売道具です。

それなのに電力会社との契約を切ってしまったものだから、

 

アイロンが使えなくて困る

→ そういえばインテリア用に買った炭アイロンがある

→ あれで代用しよう!

 

と、本で紹介されていたのはここまで。

 

しかし炭アイロンは一酸化炭素中毒が怖い、ということで今はあまり使っていないそう。
(ご存知の方も多いでしょうが、密閉した室内で炭を使うと一酸化炭素中毒の危険があります。しっかり換気をしましょう)

代わりに旅行用のミニアイロンや和裁のコテなど、今までに試した色々なものがスライドで紹介されました。

 

それでも「一番困ったのはアイロンで、今も困っている」というようなことを仰っていて、現在も試行錯誤中であることがうかがえました。

 

―――――

また、TV取材のときも紹介されていた「植木鉢を重ねた自作冷蔵庫」

大きさの違う植木鉢を重ねて間に砂を入れ、砂に水を注ぐことで内側の植木鉢の中が冷えるというもの。(水が蒸発するときに内部の熱を奪う、気化熱を利用した仕組みです)

 

こんなやつね→
電気を使わないで冷やす冷蔵庫。必要なものは鉢と砂と水

 

これもあちこちのサイトなどで見かけますが、今は実際には使っていないそう。

もともと砂漠で食料を保存するために考えられた方法で、日本の高温多湿条件では必ずしも有効でないようです。

 

結局、やってみないとわからない。

この2つの例のように「やってみたけどイマイチだった」とか「自分の生活のココにはやっぱり電気が必要だ」と実感することがあるのは、やってみた人ならわかるはず。

また、「実験」と「生活の中で実際に使えるか」には差があるものです。

 

さらに、道具の「必要性」は人によってそれぞれ違うわけで。(私の場合アイロンは使わないのでその点は全く不便はないけど、冷え性なので冬のホットカーペットは手放せない、みたいなね)

結局、生活の中でやってみないとわからないことの連続だし、やってみた結果を個々人が発信するしかないのだなあと思いました。

―――――

 

私はフジイさんのような思い切りはないリアリストなので(笑)ソーラー発電はしてるけど、電力会社との契約は切れません。

でもソーラー発電をやってみて、自分の生活のどこにどんなエネルギーを使うのか?という視点が得られたのが何よりの収穫。

大事なのは「電気代がゼロ円になる!」ことではなく(そういう言い方がキャッチーだからタイトルになってるのでしょうけど)、自分が何にどんなエネルギーを使ってるかに気づくこと。

そして、電気でないもので代用できるかな?うちで作る電気でこのくらいならまかなえるかな?と考えること。

 

話の端々から、フジイさんも体当たりでやってみて積み重ねているんだなあ、と窺えて嬉しくなりました。(しかし電力会社の契約切るのはかなりの体当たり感)

 

科学的視点の重要性

震災以降、小さな電気を自作してみる人もふえたし、ネットやこうした書籍で情報を目にすることも多くなりました。

自分もソーラー発電を日々使っているから気づけたこともたくさんあるし、みんながいろんなことを実験的にやってみるのはとても良いことだと思っています。

 

ただ、炭アイロンの一酸化炭素中毒のように、気をつけなければならないことがあるのも事実。メリットとデメリットを、きちんと科学的な面から聞きたい。

 

例えば私も

もしソーラーパネルを置いて避難する(家を離れる)ときはどうやっておけば安全なの?

ソーラークッカーで調理中に日が陰って温度が上がりきらないと、卵や肉の調理は危ないよね?

など、大丈夫かなあ?と思うこともまだまだあります。

 

人間が危険を減らすために技術は進化してきたわけですから、やっぱり電気の方がいいよね、という場面もたくさんあるわけで。

なんだかんだ言っても、すぐ使える安全なエネルギーがコンセントから取り出せることは、やっぱりすごいことです。

 

やってみた人(自分も含め)は、フジイさんの今回のお話のように、有効でないことや危険なことについてもちゃんと伝えた方がいい。

それが「家庭菜園みたいに自分の電気を家で作る」ことを普通の人に広めるために必要なのではないかな、と思いました。

 

 

講演のお土産はサイン本。楽しい時間をありがとうございました!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です