花屋の仕事

花屋にもAI店員が登場!フローリストの仕事がなくなる未来は来るのか考えてみた

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AI(人工知能)が人間の仕事に取って代わる時代も近いと言われていますが、ついに花屋にもそんな話題が登場しました…!


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モンソーフルール銀座店でAI店員「エレーヌ」を導入。

今回ニュースになったのは、モンソーフルール銀座店。花屋の接客店員として人工知能(AI)を搭載した「エレーヌ」を導入するとのこと。

モンソーフルールはフランス・パリ発祥のお花屋さん。フランチャイズ形式で、関東圏に11店舗、仙台に2店舗展開しています。

「お花を使って自分らしさを演出する、パリジャンのスタイルを日本人にも楽しんでほしい」と、カジュアルなマルシェらしい店構えが印象的なお花屋さんです。

 

日本のモンソーフルール本店は自由が丘店。オシャレ。(モンソーフルール公式HPより)

 

AI店員「エレーヌ」は、プレゼントの用途を聞いてオススメの色合いを提案したり、花言葉などの質問にも答えてくれるのだとか。

お客様の顔を認識するので、過去に購入した花のデータから「前回買った○○はいかがでしたか?」などと聞いてくれるのだそう。ううう、それ、店員ができそうでできないことですよね。エレーヌすごい!

 

花屋の仕事における「接客」の重要性。

花屋の仕事には「接客業」としての側面と、商品をつくる「職人」としての側面があります。

お客様と対面してご要望を伺い、その場で材料を組み合わせて商品をつくることが花屋におけるフローリストの仕事。

 

商品をつくる前段階として、接客はとても大事なパーツです。

花屋に来るお客様には、花を買いなれている人もいれば、年に一度しか花屋に来ない(母の日や記念日に多い)人もいます。

慣れてなさそうだな~と言う人には噛み砕いた説明が必要だし、センスがよく花を贈り慣れている人には新しい提案も必要。

純粋に人当たりが良いだけではなく、色々なレベルのお客様に合わせて「この人が求めているもの(こと)は何か?」を聞き出し、提案する力が必要になります。

 

花を贈るのはプライベートでデリケートな案件も多いので、簡単そうにみえて意外と難しい接客です。

 

リピーターをつくる、さらに深めた接客の必要性。

さらに難しいのは、継続して来てくれるお客様への接客です。

常連さんにきめ細かい対応をしようと思えば、お名前や住所などの基本情報以外にも「お花の好み」「誰に贈るのか」「いつ贈るのか」などの情報を蓄積していくことが重要。

 

お客様ごとにカルテを作り、オーダーメイドの提案ができるくらいになるといいですよね。一流クラブのホステスさんと同じです。

本来、ひとりひとりのお客様の好み、どんなときに誰に贈るのかなどを把握し、こちらから「記念日はそろそろですね、今年はどうしましょうか?」というメールを送れるくらいになってもいいはず。

 

ところがこれが、なかなか難しい。それには3つの理由があります。

 

ひとつは、花屋には固定客ではない「流し」のお客様が多いこと。ふらっと来て、さっと買っていく。名前もわからないお客様も多いのです。

 

2つめは、ある程度「定期的」に来てくれるお客様でも、「定期的」の間隔がまばらなこと。

「毎年お願いしてるんだけど…」と言ってくれるお客さんは多いけれど、1年に1回しか来ない人、こっちは覚えてないよ…というパターン。お客さんは行きつけのお花屋さんと認識してくれているのに、非常にもったいないケースです(よくある)。

 

3つめは花屋側の問題ですが、短期間・短時間のパートやアルバイトで店を回していること。定期的に来てくれるお客様でも、スタッフ間で細かな情報を共有・蓄積するのが難しい。

お客様側から見ても、行くたびに違う店員じゃ仲良くなりにくいし、情報も出しにくいですよね。

 

もちろん、オーナーがひとりでやっているお花屋さんや、顧客管理に力をいれてしっかりやっているお花屋さんもあるとは思います。

でも、この一歩深めた接客ができていない店が多いのは、現在の花屋の課題。これはまさにAIエレーヌ氏の得意分野ではないでしょうか。

 

AIの登場は、フローリストの仕事を奪うのか?

人間の記憶力には限界があり、年に一度だけ来るお客様の好みをいちいち覚えていられません(ごめんなさい)。

そんな我々フローリストは、エレーヌに仕事を奪われてしまう…のか!?

 

いやいや、私はそうは思いません。

 

フローリストの本職は「商品をつくる」方にあります。

日々入れ替わるたくさんの種類の切花。それぞれの咲き具合や日もちを考え、枝ぶりを見極め、適切に組み合わせて花束に束ねる。長く輸送しても萎れにくい種類の花を見極めてアレンジをつくる。挿し方を工夫する。

 

とくに切花はいきものですから、完全に規格化はできないもの。花の向きや茎の曲がり、そういった微妙な個体差を認識し、アレンジや花束に活かすのは繊細な作業です。

こういった職人的な作業は、AIにできるとは思えません(今のところ)。

 

まあ欲を言えば、お客様と会話をするのは人間(フローリスト)がやって、その内容をAIが音声認識して記憶し、データベース化してくれたらいいなあ。

ご来店したお客様を顔認証で認識し、過去のデータをパッと表示してくれたら接客もしやすいですよね。これは実現したらいいと本気で思います。

 

フローリストが磨くべきは、技術。

お客様の好みを把握するような高度な接客や知識では、AIにかないそうもありません。

今までのように「愛想よくちょっと感じのいい接客」くらいでは、必要とされなくなる日も近いかも。

 

となると、やはり磨くべきは「技術」なのでしょう。

幸いなことに、我々の素材である「花」は自然物なので、機械には扱いづらい商品だと思われます。人間の目や手にしかできない繊細な作業こそ、人間フローリストの生き残る道かもしれません。

 

美しい花束を束ねられるのは人間だけ。(と、思いたい)

 

AIとも上手に共存しつつ、人間にしかできないことを磨いていかなければいけない時代なのかもしれませんね。

 

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