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青いバラは存在する?花屋が考える青いバラの魅力。

 

青いバラ。

お花にそれほど詳しくない方でも、「青いバラ」といえば、なにか特別な感じがするのではないでしょうか。

自然界には青い花はありますが、切花として重要なバラ・カーネーション・菊・ユリなどには青い品種がありません。英語で blue rose といえば「不可能」の代名詞と言われたほど。

 

青い花って切花としては数が少ないからか、みんな好きなんですよねえ。

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その中でもみんなが大好きな花「バラ」において、「青いバラ」を作ろうとする人類の情熱は凄まじく、長い間研究が続けられてきました。

今回は、「で、青いバラって結局あるの?ないの?」「お花屋さんとしては、どう思ってるの?」というお話です。

 

青いバラをつくりたい!育種の歴史。

バラの品種改良は800年以上の歴史があります。香りのよいもの、色がキレイなもの、数々の品種が交配による育種(2つの品種をかけあわせて新しい品種をつくる)で作られてきました。

もちろん、青いバラを作ることを夢見た人もたくさんいました。交配によりうまれた「青系」バラといえば、「ブルームーン」「青龍」「ブルーヘブン」等々…(クリックするとGoogle画像検索結果にとびます)

うーん、青と言えば青だけど、薄い紫と言えば薄い紫ですね。

 

紫のバラ、これはこれでキレイ。

 

そもそも、青い花の「青」はどのような仕組みで発現するのでしょうか。

花の色はアントシアニジンという物質の種類に大きく影響されます。

アントシアニジンには、

1.シアニジン
2.ペラルゴニジン
3.デルフィニジン

という主要な3種があり、このうちのデルフィニジンが青や紫色の花に多く含まれています。

アントシアニジンはそのまま蓄積されることは稀で、糖などが結合した「アントシアニン」として植物の中の液胞という部分に蓄積します。

液胞の中のphがどのくらいか、どんな糖や塩基が結合するのかで、青色が発現するかどうかが決まります。デルフィニジンを持っていても、青色が発現するとは限らないのです。(逆に、デルフィニジンがなくても青色を発現する組み合わせもあります)

 

バラ、カーネーション、菊、ユリなどに青い品種がないのは、このデルフィニジンを蓄積できないからだと言われています。

 

人工的につくる青いバラ!品種改良でうまれた「アプローズ」。

青いバラの品種改良を続けてきたのは「サントリー」。サントリーといえばプレミアムモルツ!だけじゃないんですねえ。開発が始まったのは1990年のことです。

バイオテクノロジーの進化により、遺伝子レベルでの育種ができるようになり、人類の夢「青いバラ」の開発が始まったのでした。

 

詳しく知りたい方はこちらを。サントリーの特設ページで詳細に解説されています。

http://www.suntory.co.jp/sic/research/s_bluerose/

 

平たく言えば、ペチュニアやパンジーなど青色色素を持つ花から取り出した遺伝子をバラに組み込み、青色を発現させよう、という研究。

2004年に開発成功が発表され、大きな話題になりました。それがサントリーの青いバラ「アプローズ」です。

サントリー アプローズ公式ページ より。

 

青い…かな。青紫というか。確かに、紫のバラよりは青いと思います。うん。

 

接ぎ木で増やすことにも成功し、2009年には商品化。普通のお花屋さんに並ぶことは少ないですが、注文すれば買えます。サントリーの青いバラが欲しい、と注文すれば、きっと入荷してくれるはず(お値段は高いと思いますが…!)。

 

現在も「もっともっと青いバラを」ということでサントリーでは研究開発が続けられています。

 

ちなみに研究の過程で、バラより先にできたのが青いカーネーション。こちらは「ムーンダスト」と名付けられ、今では母の日などにも活躍しています。

サントリー ムーンダスト公式ページ より。

 

青っていうか、紫ですけどね。でも、ペチュニアの青色遺伝子が働いて生まれた品種なので、成功への大きな一歩につながった品種であることは間違いないです。

アプローズよりはずっと庶民的に広まった感じがします。まあ、普通のカーネーションよりは高いけど。

 

もっと青さを!「染め」の青いバラ。

サントリーの研究開発チームの努力はよくわかりました。技術の進化は素晴らしいことです。

でもね、正直な声は、

もっと青いのが欲しいんだよ!!

でしょ?

 

「青い花」でみなさんが想像している「青」ってのは、こういう青でしょ?

写真はデルフィニウム。青い花として切花で大活躍。

 

そこで登場したのが「染め」の技術です。

白いお花に色水を吸わせると色がつく…夏休みの自由研究とかでやりましたね。

染料で染めた青いバラ、青いガーベラ、青いカーネーションなどは、もう普通に市場に出回っています。注文すれば買えるし、繁華街のお花屋さんなどでは置いているところも多いのではないかしら。

染めの花は圧倒的に「青い」。

 

そういう「ザ・青!」が活躍するのは、テーマに沿ってつくるギフトやフラワースタンドなど。染め技術なしには語れないほど、この世界ではもう広まっています。

「フラスタ ブルー」で検索した結果 → こちら

 

花屋さんは自分で染料を買ってきて染めることもできるので、バラだけにとどまらず、菊もユリもカーネーションもアルストロメリアも、白いお花なら何でも染めて作っています。

蛍光グリーンやイエロー、ピンクなどあらゆる色の染料があるので、白い花を買ってきて染めるだけで、どんな色の花も作れちゃうのだ。

 

染料はネットでも買えたりします。一般の方でも、染めてみたい人はぜひどうぞ。

 

 

ただし、染料で染めた花にはデメリットも。

物理的にインクを吸わせているので、切り口から色は抜けます。花瓶の水も青くなるし、手も青くなる。服についたら染まります。

 

ドレスの胸につけるコサージュ作って、と言われたらうーん…直接服にふれないように、工夫して作った方がいいかもしれません。

花びらを白いテーブルクロスに散らすのは?うーん…私ならちょっと怖いかも。

 

遠くから見て楽しむ装飾やスタンド花には問題ありませんが、服や肌に触れるような使い方には注意が必要かもしれません。

で、青いバラってどうなの?(個人の感想)

今回まとめていて思ったのですが、先人たちの「青いバラ」への情熱には圧倒されます。お、おう…そんなに?というのが正直なところ。

うん、キレイだとは思いますよ。テーマに沿って染めの花を使うのも、最近は普通になってきました。

ちょっとビックリさせたいギフトとかには良いかもしれない。

でも、自分が家で飾る花には選ばないなあ…ピンクや黄色の花で、可愛い花いっぱいあるもんねー。

 

かつて青いバラの花言葉は「不可能」でしたが、アプローズが登場して「夢かなう」になりました。

どうしても青!どうしても「夢かなう」の想いを込めたい!というときには、使ってみるのもよいのではないでしょうか。

前もってご相談いただければ、お花屋さんは対応してくれると思いますよ。(やっぱりまだまだ特別なものなので、ちゃんと前もって予約してくださいね)

 

参考図書はこちら。園芸用の花たちの、品種改良の歴史が詳しくわかります。