花のお手入れ基礎知識

お花屋さんが教える!夏の切花を長持ちさせる方法と考え方。

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夏は切り花がもたない。


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みなさん口々にそう言います。

 

そうですね。おっしゃるとおりです。なにしろこの暑さですから。

前述のツイートのように、「もたないのよねー」と悶々としながら買いに来る方も多い。そんなに言われると、花屋だってなんだか申し訳ない気持ちになるものです。

それならばと、「夏の切花の楽しみ方」を、精いっぱい知恵をしぼって考えてみました。

 

飾る量を減らす。

たくさんの花をひとつの花瓶に飾ると、茎が密集している部分は蒸れやすくなります。茎が腐れば水も濁ります。

水替えなどの手間がかけられるなら良いのですが、ちょっと放っておくとあっというまに水が濁って茎が腐ってる…なんてことも。

一度に飾る花の量を減らしましょう。

日本には「一花一葉」なんて美しい言葉もあります。夏はシンプルに、1種類の花でもいいじゃないですか。

1回のもちは悪くても、頻繁に少しずつ買い替えれば、お財布にも優しいですよ。

 


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大きい花瓶、口の広い花瓶に飾る。

前項でも書きましたが、茎が密集しているとそこから蒸れやすくなります。暑い時期は特に蒸れやすく、傷みが早くなります。

口の細い花瓶に、ぎゅっとたくさんのお花を入れるのはやめましょう。

また、水の容量が少ないと、水の温度も上がりやすくなります。小さい花瓶より、大きめの花瓶を使いましょう。

口の広い大きめの花瓶に、少量の花を飾る。

口の広い花瓶は水替えのときにしっかり洗いやすく、ヌルヌルやバクテリアの繁殖も防げるので一石二鳥です。

 

枝もの、葉ものを中心に飾る。

茎が腐ったり、花が咲き進んだりする心配がない「枝もの」や「葉もの」は夏の強い味方。

見た目にも涼しげで夏らしいので、機能的にも、雰囲気的にもバッチリです。

長持ちする「枝もの」や「葉もの」に、ひとつ花を加えるのがおすすめ。お花は枯れたら取り換えて、枝ものや葉ものはそのまま何回も使えます。

オススメをふたつ挙げておきましょう。

ドウダンツツジ。

夏の枝ものといえばコレ。とにかく丈夫です。茎も強く、腐ったりヌルヌルすることもありません。

夏場の活け込みには必ず使う、プロもお墨付き・夏代表の枝ものです。

ドラセナ

手に入りやすく、丈夫な葉ものの代表。葉色もグリーン・赤・斑入りなど、いろいろ種類があるので、お花に合わせて雰囲気を変えられます。

節から根っこが出てきて、そのまま水栽培のようになったりもしますよ。

 

やっぱりお花を飾りたい!という方は、こちらの記事も。

夏は切り花がもたない?7~8月に花屋で買える『暑さに強い切花』をまとめました。 「暑くて花がもたないわねえ」「なにか、もつ花ないかしら?」 夏の花屋は毎日のようにそんなことを言われます。 まあねえ...

 

水に漂白剤を入れる。

水が腐りやすい夏には、漂白剤を使いましょう。

花を活ける水に、少量の漂白剤を入れます(ほんの少しでも効果はあります)。

バクテリアの発生を防ぎ、茎がヌルヌルしたり水が腐ったりするのを防ぐ効果があります。

 

部屋を涼しく保つ。

当たり前ですが、夏は気温が高いから花もちが悪いのです。

花は咲き進むし、水中のバクテリアが増えて茎を詰まらせます。密集した茎や葉は蒸れて傷みやすくなります。

花を持たせたいなら、クーラーなどで部屋をずっと涼しくしておけばいいのです。花屋の店内やキーパーは、つまりそういうことですからね。

とはいえ、日常生活でずっとクーラーをつけているのも難しいもの。

部屋を涼しく保てない時間もあるでしょう。そんなときの裏技をふたつ挙げておきましょう。

冷蔵庫に入れる。

昼間留守にしている勤め人の方などは、出かける前に花瓶ごと冷蔵庫にいれてしまうのはどうでしょう。

やや乱暴ですが、締め切って蒸し風呂状態になっている室内に置いておくよりはずっと良いです。野菜室の方が温度がマイルドなのでおすすめ。

大きいものは入らないのが難点です。ミニブーケを活けたグラスなどは試しやすいと思います。

冷房が切れる時間は花瓶からバケツに移す。

会社などで夜は冷房を切ってしまう場所の場合、夜の間で気温が上がり、花が傷んでしまうことが考えられます。

小さな花瓶や口の細い花瓶に活けている花は、大きめのバケツなどに移しておきましょう。なるべく風通しよく涼しい場所に置けるとなお良しです。

これは、神棚のお榊にも有効。小さな花立てに入れっぱなしにしておくよりはマシです。

 

―――――

上記2つの案は、「人が観賞しているときだけ、飾ればいい」という提案でもあります。

おうちに帰ったらクーラーつけて、冷蔵庫からお花のグラスを出して、ビールを出して、夜ごはんの支度♪なんて楽しみ方があってもいいのではないでしょうか。

 

余裕をもって楽しめるときだけ、花を買う。

花をもたせたい!と思うと、水替え、花瓶を洗って清潔に保つ、茎をこまめに切り戻す、などの手間がかかります。

そして暑い時期は、他の時期に比べてこの手間をこまめにかける必要があります(もたせたいと思ったら、ですよ)。

出かけがちな週や、忙しい日が続くとわかっているときは、無理に花を買わないのもひとつの手です。

お出かけする予定のない週末や、家族が家に揃う時間が長いときだけ、ゆっくり花を楽しむのも良いのではないでしょうか。

 

暑い時期は、花は飾らない。

これを言ったら元も子もないけど!笑

でも、「暑い時期は切り花は飾らない」と決めるのもメリハリだと思います。

本来、花を飾って愛でるのは、心安らぐたのしみです。

水が濁って替えなくちゃ、とストレスになったり、枯れた花の片付けが憂鬱になるようなら、夏の間はお休みしたっていいと思うのです。

ヒマワリや朝顔など、屋外で眺めて楽しめる花もあります。

ハイビスカスやブーゲンビリアなど、夏ならではの南国の花を見に行くのもいいでしょう。

無理して自宅に切花を飾らなくても、花や植物を楽しむ手段はたくさんあります。

 

まとめ。

花屋なので花は買ってほしいけど(笑)これだけ暑いと無理してやるものでもないなーと思います。楽しく無理なくやるのが一番です。

秋や冬など涼しい時期は、切花も手がかかりません。夏の間はおやすみした人も、涼しくなったらまた飾ってくださいね。

 

枝ものをカッコよく飾るコツは、この本がおすすめ。基本がわかります。

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